バナナラッシュの代償
中国資本によってラオスでのバナナ生産が活発になっている。
このブームによって現地の方々は経済的に潤っているようだが、
同時にもたらされた弊害について下記の記事で紹介されていた。
記事内で扱われていた問題は主に農薬による環境汚染である。
具体的に言うと、パラコートなどの除草剤や防黴剤による
教育水準の低さによって農薬の使用方法が十分に
理解されていないという現状についても触れられており、
これが被害を拡大する要因となっているようにも感じる。
農薬による健康リスクに晒されながらも
バナナの生産に依存せざるを得ないほど、
ラオスが貧しい状況に置かれているというのは、
非常に悲しいことだ。
また、これを「途上国が歩かねばならぬ道」とする
中国人資本家の安易な発言に対して、憤りを感じる。
この記事では大きくは取り上げられていなかったことだが、
ブームが去った後に起こる問題も気がかりだ。
かつて日本ではナタデココがブームとなった時代があり、
フィリピンでナタデココの生産ブームが起こったが、
ブームが去った途端に多くの農家は破綻に陥っている。
似たような事態にラオスが陥る可能性も考えられるのではないか。
既にバナナの価格は低下しており、他国への移転などの動きも
あるようなので、近いうちに破綻することもあり得る。
「発展にともなう痛み」だの「現地人は無計画」だの
上から目線で語るのではなく、投資者は誠実な態度で
途上国と向き合うべきではないのかと思う。