サムの備忘録

趣味ネタ、時々社会的なテーマ。IT関連のテーマはもう1つのブログに投稿してます。

新物質の人工合成に成功

NIMSと東京大学の共同研究グループが、流動性の変化をひとりでに

繰り返す、アメーバのような液体の人工合成に成功したと発表した。

 

news.mynavi.jp

今回の研究では、外部から電気・光・熱などを一切加えなくても

ゾル状態とゲル状態を繰り返す液体を、人工的に合成することに

成功したとのこと。自律挙動を人工的に再現するのは極めて難しいと

されており、合成に成功したという報告はこれまでほとんどなかった。

 

 

ゾル-ゲル変化は、細胞分裂・傷の修復・癌細胞の転移等において

頻繁に観察されるものである。これは、アクチンという生体高分子が

「集合」と「分散」を自ら繰り返すことで実現されている。

 

今回の研究が意味するのは、アクチンの機能は合成高分子で再現可能

であるということだ。生命挙動を人工的に再現することによって、

生命の自律性の解明やソフトマシンの実現に繋がることが期待される。

Dictionnaire Infernal

1818年に初版が発行された「Dictionnaire Infernal(地獄の辞典)」は、

悪魔学の歴史の中で最も有名な本の一冊に数えられている。

 

gigazine.net

著者はコラン・ド・プランシーで、生涯をかけて古今東西

悪魔・魔術・迷信などのイラストや記述を辞書形式にまとめた人物だ。

 

「地獄の辞典」を発表したことで、プランシーは反宗教家として

評されたが、1841年にカトリック教徒に改宗した後も

プランシーは「地獄の辞典」の改訂を続けたとのことだ。

 

この「地獄の辞典」に掲載されているイラストは、パブリックドメイン

公開されている(The Best Demon Illustrations of All Time - Atlas Obscura)。

 

数々の魔法や悪魔学に関する書籍にも登場しており、

以下のアスモデウスのイラストは、

水木しげるの妖怪辞典にも載っていたような気がする。

 

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共食いを誘う植物

自分の身を守るために、イモムシたちを共食い行為に

走らせる能力を持つ植物が存在するらしい。

natgeo.nikkeibp.co.jp

イモムシに食べられそうになった植物は、防御反応として

自分の味を悪くする物質を発することがあるという。

あまりの不味さに思わずイモムシは仲間を食べてしまうとのこと。

 

今回の研究では、ジャスモン酸メチルをトマトの木に散布し、

そこにシロイチモジヨトウの幼虫を置いて、検証しているようだ。

 

ジャスモン酸メチルは、植物が何らかのストレスを受けたときに

発生させる物質だ。この物質を受け取ったトマトは、

不味い味がするように自身の化学成分を変化させるとのこと。

また、ジャスモン酸メチルにはイモムシの天敵や寄生者を

おびき寄せる効果もある。

 

この防御反応はトマト以外でも記録されており、

植物には、近くの他の植物が攻撃されているのを感知して、

ジャスモン酸メチルを発生させる能力があると示唆する研究もある。

 

ちなみに、植物を食べたイモムシと共食いしたイモムシの成長速度に

違いがないこともわかっている。これは、イモムシの立場からすれば、

不味い植物を食べなくても共食いによって成長できることを意味する。

 

他に食べられるものが存在する場合については、

今回検証されていないが、イモムシに選択肢を与えるような設定で

実験を行っても共食いの傾向はさほど変わらないと推測される。

未承認医薬品の無償提供

政府は、治療効果が見込まれることを条件に、国内未承認の医薬品を

感染症が流行した途上国に対して無償提供する方針を固めた。

yomidr.yomiuri.co.jp

無償提供の財源には政府開発援助(ODA)などを充てる。

安全性や医療倫理の確保のために、関係省庁会議や専門委員会などを

設け、流行発生時に速やかに対応できるようにする。

 

医薬品の無償提供は、相手国が非常事態宣言を出している場合などを

想定している。途上国からの要請を受けた後、政府が医薬品の種類や

必要量を検討し、製薬会社から買い取る形式となるようだ。

死のピラミッドとトンネル

テオティワカンで2番目に大きな建造物である「月のピラミッド」の

地下で、秘密のトンネルが発見された。

natgeo.nikkeibp.co.jp

「月のピラミッド」には生け贄として捧げられたと推測される

人間や動物の死体が埋葬されていたことから、生贄の儀式に

使われたと考えられており、「死のピラミッド」とも呼ばれている。

 

今回発見されたトンネルは、その「月のピラミッド」の地下に存在し、

ケツァルコアトルの神殿」の地下で見つかったトンネルなどと類似

していた。このトンネルについて、「死後の世界を表現したもの」と

研究者たちは考えているとのこと。

 

ちなみに、アステカの信仰において、死後の世界は地下で9層に

分かれており、死者の魂は犬とともに各層で試練を受けながら

最下層の「ミクトラン」に向かうものとされていた。

ケツァルコアトルの双子であるショロトルは、ミクトランへの旅を

手助けをするとされた。

気温の認識と体温調整

「暑い」と認識することと「涼もう」と行動することは、

脳内では別々の仕組みで処理されていることを、名大の

研究チームが明らかにした。

www.asahi.com

人間の体温調節には2種類あり、1つは自律性体温調節で、

もう1つは体温調節行動だ。前者は「汗で体を冷やす」などの

生理的な反応で、後者は「気温に合わせて服装を変える」などの

行動を起こすものだ。体温調節行動については詳しい情報伝達経路が

よくわかっていなかった。

 

上記の反応と温度を認識する仕組みが異なることが、

今回の研究でわかったという。

 

今回の研究ではラットを使って、情報経路を遮断し、観察している。

結果としては、温度の認識経路を遮断しても、体温調節行動に影響は

なかったようだが、自律性体温調節のための情報経路を遮断すると、

温度の認識経路が生きていても、快適な温度を選べなかったようだ。

 

名大の中村和弘教授は「情報経路が違うので、暑いと認識する温度と

不快さを感じて体温調節行動を起こす温度に差が出る可能性がある。

これが熱中症の発症メカニズムに関与するかもしれない」と指摘する。

里地里山の環境を数値化

国立環境研究所福島支部の吉岡明良らの研究グループは、

里地里山の自然環境の豊かさを数値化する新たな評価指標を

考案したと発表した。

 

この新指標を用いると、里地里山の環境の実態を

より正確に評価できるようであり、保全に役立つと期待されている。

 

news.mynavi.jp

 

 今回考案されたのは農地景観多様度指数(DSI)というもので、

従来の指標と同様に、6キロ四方における水田・畑地・森林などの

土地利用の割合を基に、里地里山の環境の豊かさを評価する。

 

水田だけの環境よりも、そこに畑地や森林が入り混じった

多様性の高い土地の方が評価が高くなる仕組みだ。

 

従来の指標では、水田と耕作放棄地の混在で評価が高くなるなど、

生物多様性の実態と異なる評価が生じる可能性があったため、

DSIでは、大きく異なる環境が混在している土地ほど評価が

高くなるように評価の仕組みを変えた。

 

また、衛星画像から得られる自然環境情報も評価に反映させた。

衛星画像の評価を組み合わせることで、水辺の生き物を育む水田と、

耕作放棄や転作がなされた土地を区別することが可能となり、

生物多様性の実態に近い評価が可能になる。