南極と血の滝
南極には「血の滝」というものがある。
勿論流れているのは血液ではない。ただ赤いだけである。
しかし、何故このような真っ赤な色になっているのだろうか。
その答えは既に明らかになっている。原因は酸化鉄だ。
酸化鉄の成分によって赤く染まっているのである。
赤く染まっている理由は以上だが、
まだ血の滝を十分に説明するための材料は揃っていない。
何故かというと、滝というものは流れるものであるからだ。
つまり、何故凍らずにいるかを説明しなければ、
血の滝のメカニズムを説明するに不十分なのである。
では、何故血の滝は凍らないでいられるのか。
そのカギは、潜熱と塩分濃度の関係性にある。
塩分濃度の高い水は真水よりも凝固点が低い。
また、水の凍結時には潜熱が発せられ、周囲の氷を解かす。
この2つの要因の組み合わせによって、
塩分濃度の高い水だけが液体の状態を保っていられるのである。
これこそが、凍らずに流れることを可能とするための条件なのだ。