ゼイネル・ベイの霊廟
ゼイネル・ベイの霊廟が新しい場所へ移設された。
ゼイネル・ベイの霊廟は、白羊朝の君主ウズン・ハサンが、
戦死した息子ゼイネル・ベイをまつるために1475年に造らせたものだ。
この霊廟は、歴史的なアナトリア建築の特徴を持っており、
二重構造のドーム部分や精巧なタイル細工が特徴的な建築物である。
大きさは、高さ15メートル、直径7.5メートル。
チグリス川を見下ろす高台に建てられていたので、
地域の観光名所のひとつにもなっていた。
今回のハサンケイフ文化公園への移設は、
イリス・ダムの稼働による水没に対応するための措置だ。
移設作業は3時間半以上かけて無事に完了し、
地震対策のために免震システムも設けたとのことである。
今後は、霊廟は引き続き修復作業が行われる。
ゼイネル・ベイの遺骨は、今までは盗掘を避けるために
別の場所に保管されていたが、再び霊廟に祭られる予定だ。
ほかにも8カ所の遺跡建造物が、ハサンケイフ文化公園に
移設される計画があるものの、実行されるかどうかは不明だ。
「イリス・ダムの稼働が1日遅れると、百万ドルの損失が生じる」と
言われているので、移設のために残された時間はあまりない。