古代ローマ軍の鉛弾
1900年前にローマ帝国軍が使用した投石器について。
この投石器で発車した鉛玉のストッピングパワーは、
現代の.44マグナム弾に匹敵すると言われている。
natgeo.nikkeibp.co.jpドイツで行われた実験によると、重さ50グラムの鉛弾を
熟練者が発射した場合のストッピングパワーは、
.44マグナム弾よりもわずかに小さい程度だった。
別の実験からは、120メートル離れたところにある
人間より小さな標的に鉛弾を命中させられることも明らかになっている。
この鉛玉と関連して、バーンズウォークの遺跡で
発掘調査が行われたとのことである。
今回の調査を行った人物は、英トリモンティウム・トラストの
研究者であるジョン・リード氏と、
ダンフリーズ・アンド・ギャロウェイ州評議会の
考古学者であるアンドリュー・ニコルソン氏だ。
2人はバーンズウォークの丘の遺跡について解釈が分かれていたので、
決着をつけるために、ローマ軍の鉛弾を探したとのことだ。
発掘の結果、金属探知機が示したとおりの場所から、
ローマ軍の投石器で使う鉛弾が400個以上も見つかった。
さらに、バリスタ用の石弾も2個発見されている。
最終的には、金属探知機の反応の94%は、
ローマ軍の鉛弾に対してであったことが確認されたようだ。
また、研究チームが反応のあった場所を分析した結果、
先住民の砦の南側にあった長さ460メートルの塁壁に、
多数の鉛弾が集中していることがわかった。
この塁壁はローマ軍の野営地の真上に位置しており、
砦の北側の塁壁にも鉛弾が集中している箇所があったため、
砦から脱出しようとする先住民を攻撃したのだと推測される。
当時のローマ皇帝であるアントニヌス・ピウスは、
バーンズウォークを見せしめに、戦勝を上げ、
手ごわい先住民を征服しようとしたのかもしれない。