アストロサイトへの分化誘導
九州大学の研究により、従来よりも短期間でアストロサイトへの
分化を誘導できる方法が明らかになった。
ここでいうアストロサイトとは、ニューロンの機能を助けるものであり、
学習・記憶にも影響を与えるといわれている。
多くの神経疾患の発症や病態に関与しているともいわれるので、
アストロサイトの機能解析が進めば、精神・神経疾患の病態解明や
新規治療法の開発につながる可能性がある。
ちなみに、ヒトiPS細胞から作製された神経幹細胞をアストロサイトへ
分化させるには、通常約200日程度の長期間培養が必要とされる。
これほど長い時間が培養にかかってしまうので、
今までは機能解析が進んでいなかったのである。
今回の研究では、iPS細胞由来の神経幹細胞を低酸素下で
培養することで、短期間でアストロサイトへ分化させることに
成功したとのことだ。
低酸素濃度の場合は、脱メチル化が促進されるので、
通常よりも効率よくアストロサイトへ分化させられる。