方程式での立体表現
ノースウェスタン大学のローラ・デマルコと、
3Dグラフィックスへ方程式を変換するという研究を進めている。
方程式から3Dオブジェクトを生成するとき、
まずはジュリア集合というものが構築され、
「フラクタル」と呼ばれる構造をつくる。
その後、アルゴリズムをつかって方程式の次数や係数は分析され、
ジュリア集合とは別のフラクタル形状が出力されるのだが、
これは「平面キャップ」と呼ばれる。
ジュリア集合とその内部のことを「充填ジュリア集合」というが、
これと「平面キャップ」を接着すれば3Dになるのである。
問題となっているのは平面図を見ても折りたたみ方が
分からない点だが、線や面の曲がり具合を示す「曲率」を
算出することで、ゴールに近づくことはできる。
しかし、正確な曲率までは分かっても、折りたたむ場所を
正確に特定する数学的な方法はまだ存在しない。
ちなみに、二次元図形から3Dオブジェクトを
取得するための独特な折りたたみ方法は、
旧ソ連の数学者アレクサンドル・アレクサンドロフによって、
理論上存在することがわかっている。
デマルコの仮説では、力学的な特性を考えると折りたたみ線を
完全に記述でき、基礎となる方程式を繰り返し使うことによって
折りたたみ線に沿った点集合が得られると期待されている。