JR九州の初の株主総会
昨年10月に上場したJR九州は、初の株主総会を福岡市のホテルで
開催し、株主987人が出席した。3月末時点での株主数は約14万人。
株主総会では、九州新幹線の長崎ルートへのフリーゲージトレイン(FGT)
導入の是非や、運行トラブルについて株主から質問が出たようだ。
FGT導入について、前田勇人専務は「検証走行試験の結果を踏まえ、
私どもの考えを表明したい」と述べるに留めた。
FGTとは、新幹線と在来線など、異なる軌間を直通運転できるよう、
車輪の左右間隔を軌間に合わせて自動的に変換する電車のことだ。
新幹線と在来線の乗換えが不要となることによって利便性が向上し、
在来線の軌間を拡大する必要もなく、既存の施設を有効に活用できる。
一方で、経済性では大きな課題が存在している。
FGTは軽量化対策に高価な部品を用いているので、車両新造コストが高い。
また、軌間可変台車は可動部を有するため、定期的な点検箇所が増加し、
部品交換も不可欠となるので、メンテナンスコストも増大する。
車軸の定期的交換を想定し、一般の新幹線と経済性の比較を行うと、
車軸を240万kmごとに交換する場合で一般の新幹線の2.5倍程度、
台車検査周期の60万kmで交換する場合で3倍程度になると試算されている。