新しい電子散乱実験装置
不安定原子核を見るための電子散乱実験装置が完成したと発表。
この装置を用いて、キセノン-132原子核から散乱される電子を観測し、
散乱の角度分布から陽子分布を決めることにも成功している。
従来の手法では、十分な数の標的原子核を確保できなかったため、
不安定核で電子散乱実験を行うことは不可能だとされていた。
そこで今回開発されたのが、少量の標的核数で電子散乱実験を
実現させるSCRIT法であり、これを電子蓄積リングの中に
作り込むことで、108個の標的核数で電子散乱実験が可能となる。
原理としては、標的イオンを電子ビームに沿わせて流し込むと、
自然に電子ビームに引き寄せられるので、静電バリアで前後に
逃げないようにすることで、線状にトラップされるというものだ。
また、電子は標的イオンに衝突して軸の外へ散乱する。