里地里山の環境を数値化
国立環境研究所福島支部の吉岡明良らの研究グループは、
里地里山の自然環境の豊かさを数値化する新たな評価指標を
考案したと発表した。
この新指標を用いると、里地里山の環境の実態を
より正確に評価できるようであり、保全に役立つと期待されている。
今回考案されたのは農地景観多様度指数(DSI)というもので、
従来の指標と同様に、6キロ四方における水田・畑地・森林などの
土地利用の割合を基に、里地里山の環境の豊かさを評価する。
水田だけの環境よりも、そこに畑地や森林が入り混じった
多様性の高い土地の方が評価が高くなる仕組みだ。
従来の指標では、水田と耕作放棄地の混在で評価が高くなるなど、
生物多様性の実態と異なる評価が生じる可能性があったため、
DSIでは、大きく異なる環境が混在している土地ほど評価が
高くなるように評価の仕組みを変えた。
また、衛星画像から得られる自然環境情報も評価に反映させた。
衛星画像の評価を組み合わせることで、水辺の生き物を育む水田と、
耕作放棄や転作がなされた土地を区別することが可能となり、
生物多様性の実態に近い評価が可能になる。