火星移住の実現可能性
イーロン・マスクの火星移住計画の実現可能性と課題について、
イタリア宇宙機関のチーフ・サイエンティストが検証したようだ。
火星を「人類が移住できる可能性のある太陽系唯一の惑星」
と主張している。その理由は、火星には水があり、地球の
3分の1に相当する重力があるからだ。
エネルギーについても、小型原子力発電所や
ソーラーパネルによって確保可能だとしている。
また、フラミーニ氏は課題についても言及している。
1点目は、帰還の問題だ。完全自動での火星からの離陸を、
人類はまだ試したことがないことや、火星着陸の技術が
十分でないことを指摘している。火星に人類を送る前に、
まずは火星への無人の往復ミッションを成功させなければ
ならないということのようだ。
2点目は、通信システムの問題。火星では、地球と通信する際に
約20分の無線の遅延が存在し、太陽が火星と地球の間に位置する
ときは、あらゆる通信が不可能になる。そのため、人間を
派遣する前に、信頼できる通信システムをつくる必要がある。
磁場が存在しないため、局所的な防壁を開発することが
必要とのこと。
火星までの移動手段をどうするかも問題であり、これには
リサイクルしやすさと拡張性が重要だが、フラミーニ氏は
「マスクの提案する推進ロケットは正しいです」と説明する。
「提案されている推進ロケットは、わずか3カ月で火星に
到着するだろう」とのことである。
マスクの見通しによると、2019年までに、乗組員の選別と訓練、
推進装置やシステムの開発が終わるという。2019〜2023年に
かけてテストが行われるとして、順調に計画が進めば、
早くて2030年代前半には火星への進出が可能になりそうだ。