極限環境生物「アーキア」
極限環境生物である「アーキア」のDNA複製過程に
関わる重要因子の機能が解明された。
共通の祖先から進化したと考えられている、原核生物だ。
アーキアの遺伝情報維持機構(DNA複製・修復・組み換え)の解明は、
生物の複製機構の起原を理解することにつながるという。
アーキアのCdc45/RecJは、真核生物のCdc45や真正細菌のRecJと
同等の機能を有しているのでは、と注目されていた。
ちなみに、Cdc45とは真核生物においてDNA複製進行を
担うタンパク質の1つであり、RecJとは真正細菌において
DNA修復・組み換えに寄与するDNA分解酵素のことである。
今回の研究では、Cdc45/RecJがDNA複製進行装置の構成因子であり、
高温嫌気環境での生育に不可欠な存在であるということが判明した。
また、アーキア細胞には真正細菌のRecJのような修復機能はない
ということも分かった。アーキアの複製装置は、真核生物により近い
機能を持つということがいえるようである。