四翼恐竜セリコルニス
新種恐竜「セリコルニス・スンゲイ」(Serikornis sungei)の化石が
中国で発見された。この恐竜は4つの翼を持つが、飛べなかったようだ。
イメージ図は下記のとおり。体の大きさは現代のキジとほぼ同じだ。
古生物学者ユリス・ルフェーブル氏によれば、セリコルニスには
小羽枝(空気抵抗を利用するための微細構造)が、ほかの四翼恐竜
とは違って一切見つからなかったとのことだ。
そのため、「羽毛を持っていても飛行はできない」初期の
四翼恐竜の下位グループに、セリコルニスを加えることを、
ルフェーブル氏のチームは提案している。
また、セリコルニスの翼に生えた羽には、飛行に用いるために
必要なだけの軽さと硬さはないようだ。
飛行できないとなると、セリコルニスのもつ羽には何の役割が
あったのかが問題になるが、防寒・防衛・コミュニケーションに
用いられていたのではないかと専門家は考えている。この考えに
基づくと、四肢の羽も最初は飛行と関係なく進化したことになる。
しかし、「セリコルニスが飛べなかった」という説に対して、
古生物学者マイク・ベントン氏は「証拠が乏しい」と主張しており、
「四翼恐竜は飛行の起源である」という説を支持している。
ルフェーブル氏も、セリコルニスが滑空できた可能性は
否定していないが、飛べたかどうかとはまた別の話だとしている。