腰痛と中殿皮神経
慢性腰痛の原因の可能性もあるとして、新しい治療法を提唱している。
厚生労働省によると、慢性腰痛の患者は2800万人で、腰痛の85%は
原因がはっきりしない「非特異的腰痛」とのデータもある。そのため、
治らない腰痛に悩まされる人は多い。
慢性腰痛の原因と関係があるとされる「中殿皮神経」は、
背骨と尻上部の皮膚を結び、靱帯を貫通している場合もある。
神経が靱帯で締め付けられることで腰や脚の痛みの原因になることが
あるといわれており、背骨の中心線から外側に約3.5センチ離れた
尻のでっぱり部分を押すと痛みがある人は、その疑いがある。
また、中殿皮神経の少し上にある「上殿皮神経」が、
腰痛を引き起こす場合もあるという。
いずれの場合も、神経ブロック注射や靱帯の切除手術で治療可能だ。
腰痛の1割は上・中殿皮神経の締め付けで起きていると
考えられるが、このことを知る整形外科医はまだ少なく、
治療法が普及していないのが現状だ。