自己修復可能なマシン
ブリュッセル自由大学の研究チームは、特殊なポリマーを用いて
自己回復能力のあるロボットを開発したことを、明らかにした。
このロボットは、傷ついた場合、熱に当てられてから冷まされると、
自身の傷を自己修復するとのことだ。これを実現するためには、
エラストマーという弾性のあるポリマーが用いられた。
エラストマーの組織は、ディールス・アルダー反応でつながっていて、
熱せられると崩壊し、冷やされると再構築される。
これは、動物が傷を癒すのとほぼ同じで、生態模倣的なシステムである。
この技術について懸念されていることは、自己修復に要する時間だ。
現代の技術では、80度で40分間の過熱を行い、さらに冷却時間も
必要となるので、応用先によっては所要時間が長すぎる可能性がある。
そのため、実用化のためには、今後も改良が必要となる。
将来的には、自ら最適なタイミングを判断して、自身の温度を
上げて、修復を始めることも可能だが、実現には自らが怪我した
ことを認識するためのセンサーを搭載する必要がある。