サムの備忘録

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マイクロ流体チップへの定着

理化学研究所は、細胞や生体分子の機能を損なわずに、

マイクロ流体チップ中にパッケージングする手法を開発した。

news.mynavi.jp

マイクロ流体チップを用いると、少量の細胞・試薬での実験や分析時間の

短縮が可能となるため、実験効率化に貢献することが期待されている。

 

従来は、2枚のガラス板を貼り合わせた後で、微細流路内にタンパク質や

細胞などを注入していた。この処理方法は、流路が閉空間であるため、

細胞や生体分子を流路内の所定の位置へ定着させることが難しく、

実用には壁があった。

 

その点をふまえて、研究チームは、細胞や生体分子を所定位置にあらかじめ

定着させた後、ガラス板を貼り合わせて、流路を形成する手法を検証した。

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その結果、表面が活性化されたガラス板を2枚重ね合わせ、450ニュートン

力を2時間加えることで、ガラス板の貼り合わせが可能であるとわかった。

また、貼り合わせ時の温度が高くなるにつれて、マイクロ流体チップの

耐圧性能が向上することもわかった。

 

さらに、マイクロ流体チップの作成後、微細流路に培養液を注入し、

5日間細胞を培養して光学顕微鏡で観察したところ、微細流路内で

細胞が維持されている様子が確認できた。このことは、従来法では

特に難しいとされていた、微細流路内への複数種類の細胞の区画定着が

実現できたということを示している。

 

このマイクロ流体チップを利用することで、医療分野では患者への

侵襲を最小限に抑えた検査法の開発が可能になるという。