細胞分裂とガメトソーム
名古屋大学とケント大学(ベルギー)の共同研究によって、植物の発生や
形態形成に重要である、細胞内の高次構造の存在が明らかになった。
動物の場合は、「中心体(セントロソーム)」という構造体の存在で、
細胞分裂の非対称性が保証されている。しかし、植物の場合は、
進化の過程で中心体を失っているため、細胞分裂の対称性
・非対称性がどのように制御されているかは謎だった。
今回の研究では、コケ植物の幹細胞や種子植物の培養細胞から
動物の中心体に相当する構造が発見され、「ガメトソーム」と命名。
ガメトソームを人為的に破壊すると、非対称分裂が認められなくなった。
このことから、植物幹細胞はガメトソームの場所を操ることで、
幹細胞性を維持しているのではないかと推測される。