雷の試験観測が開始
防災科学技術研究所(NIED)と科学技術振興機構(JST)は、首都圏で
「雷放電経路3次元観測システム」による雷の試験観測を開始した。
雷放電経路3次元観測システムは、Lightning Mapping Array(LMA)
によるものであり、落雷だけでなく雲放電の観測にも優れている。
XバンドMPレーダーの観測データからアラレの有無を判断し、
雷の発生状況と比較することで、危険度を評価するという手法の
開発に防災科研は取り組んでいる。この手法の高度化には、
雲放電も含めて、雷の放電経路を把握する必要がある。
放電経路の把握のため、雲放電の捕捉率も高いLMAセンサー12台を
首都圏に配置予定だとしており、現時点で8台が配置されている。
設置点は、事前にVHF帯の電波のノイズ調査を行って選定したが、
試験観測を通して、より適切な配置にすることを検討しているという。
今後は、XバンドMPレーダー等のデータとの比較解析により、
雷危険度予測手法の研究開発を進め、雷発生メカニズムの解明や
危険度予測手法の社会実装を目指すという。
データの時間変化については下記から確認することができる。