インフルエンザの性状
高病原性H7N9鳥インフルエンザウイルスの性状を東京大学の研究で
明らかになった。感染者は、2月時点で中国において2名発生したと、
WHOは発表している。
低病原性H7N9鳥インフルエンザウイルスは、2013年にヒトでの感染例が
中国で確認されて以来、今まで1,500名を超える感染者が報告されている。
その低病原性鳥ウイルスよりも、高病原性鳥ウイルスは哺乳類に対する
病原性が高いことが知られているが、どのような病原性を持っているかや、
哺乳類から哺乳類への伝播能力があるかまでは明らかにされていなかった。
今回の研究では、分離された高病原性H7N9鳥ウイルスを用いて、
性状解析を行った。その結果、高病原性H7N9鳥ウイルスに関して、
以下のことが判明した。
・哺乳類で効率よく増殖できる
・フェレットに対して致死的な感染を引き起こす
・感染したフェレットを死に至らしめる
この結果は、ウイルスが少量であってもフェレットは重症化し、
死に至ることを示している。また、高病原性H7N9鳥ウイルスは
臨床現場で用いられている抗インフルエンザ薬に対する感受性が
低いことも、動物実験で明らかになった。
今回の成果を受けて研究グループは、今後、高病原性H7N9鳥ウイルス
によるパンデミックが起これば、甚大な健康被害をもたらす可能性が
高いと予想されるとコメントしている。