宿主の逃避と寄生者の蔓延
北大がサクラマスとカワシンジュガイを対象に調査した結果、
体力のある感染個体だけが逃避行動をとることを発見した。
また、この行動は寄生者の蔓延を助長することも分かった。
news.mynavi.jp今回の研究では、「体力のある感染個体だけが遠くへ逃げる」という
仮説のもとに検証を行った。加えて、そのような行動が感染者の蔓延
におよぼす影響も検討した。
寄生に対するサクラマス稚魚の反応を調査した結果、大きい魚は遠くへ
逃げ、小さな魚はその場にとどまるという、仮説通りの結果が得られた。
また、数値シミュレーションによって、寄生者軍団は、未寄生の場合と
比較して4倍長い時間にわたって移動し、約6倍広いエリアに侵入・定着
することが分かった。
この結果は、感染個体にとって合理的な行動が、寄生者の蔓延という
不利益をもたらすことを意味する。また、研究グループによれば、
他の生物でも同様の現象が起きる可能性があるため、野生動物での
病気蔓延の予測に応用可能だとのことだ。