アリをゾンビ化する寄生菌
熱帯雨林に生息するオオアリは、寄生菌の命令のままに異常行動を
とることがある。このように寄生菌に支配されたアリは、ゾンビアリ
という通称で呼ばれている。
natgeo.nikkeibp.co.jp寄生性の菌類に支配されたアリは、異常行動の後、高所で死を迎える。
そして、死骸の頭部からは寄生菌の子実体が伸び、地面へ胞子を放出。
この胞子を浴びたアリがゾンビ化し、同じことの繰り返しとなる。
これまで研究者らはこの現象について、菌類がアリの脳に入り込むこと
で発生すると考えていた。しかし、標本を3Dモデル化して画像識別技術
を用いて分析した結果、タイワンアリタケという菌はアリの脳には全く
手をつけていないことが、今回わかった。つまり、菌は、脳内ではなく
脳の外部から支配しているのだ。
米ペンシルベニア州立大学のデイビッド・ヒューズ氏の推測では、
菌が脳を無傷で残しているのは、宿主を他のアリを感染させられる
場所まで連れて行くのに脳が必要だからではないかとのことだ。