サムの備忘録

趣味ネタ、時々社会的なテーマ。IT関連のテーマはもう1つのブログに投稿してます。

地球上の微生物のカタログ化

地球上の微生物の一覧をつくり、カタログ化するというプロジェクト

が、「アース・マイクロバイオーム・プロジェクト(EMP)」である。

現時点では、30万7,572個の配列が特定されてはいるものの、細菌の数

は宇宙の星の1億倍にものぼると推定されており、そのほとんどに関して

はまったくといっていいほど何もわかっていない。

wired.jp

微生物マップの初回版は11月1日(米国時間)に発表された。地球上で

コロニーを形成する細菌を集めた初のリファレンス・データベースだ。

 

EMPには、世界の43カ国にある160を超える機関が関与している。

EMPの協力者たちはヒトの消化管・鳥の口・火山の土・アラスカの川

・大西洋の海底など、各地の生物や環境から計2万7,751個のサンプルを

収集した。この2万7,751個のサンプルは、別の100件近くの研究で既に

取り上げられているもので、そのうちの半分は査読を受けた刊行物で

発表されている。

 

サンプルは16S rRNA系統解析によって分類されている。16S rRNA遺伝子

には独自の変異が記憶されているため、入手した微生物の配列を相互比較し、

それぞれの類似性に基づいて複数のグループにまとめられたのである。

 

なお、それぞれのグループ内では相互依存性が生じている。特定の地域で

採取した少量のサンプルを評価する場合は特に問題はないが、異なる環境

で細菌を比較した場合などは問題が生じてしまう。 微生物学者サンダース氏

は「情報の共有や蓄積が可能な範囲がかなり制限される」と述べている。

 

6S rRNA遺伝子をもっていた微生物の採取元は、2万7,751個のサンプルすべて

であり、配列の数は22億近くにもなる。 この22億の配列を、グループではなく

長さ90塩基対の遺伝コードまで短くして、研究者たちは分類した。これにより、

完全に独立して識別できるようになった。データ処理の完了後、30万7,572個の

重複のない微生物配列が得られたとのことであり、その90パーセント近くは

既存のデータベースに記録されていないものだった。

 

今後、さらに広範囲の緯度と高度でサンプルを収集するために、世界各地から

さらに多くの協力者を募集するようだ。また、細菌に加えて真菌類も対象として

拡大し、ゲノム全体の配列を解析する予定であるとのこと。