サムの備忘録

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喘息に関わる遺伝子領域

理化学研究所は、新しい喘息関連遺伝子の存在と、自己免疫疾患や炎症性疾患との関係、免疫応答の関与などの手がかりを発見したと発表した。

www.qlifepro.com

http://www.riken.jp/pr/press/2017/20171223_1/

 

日本における喘息の罹患率は5~8%であると推定されている。一方、米国では、メキシコ系アメリカ人の3.9%からアフリカ系アメリカ人の12.5%と、人種によって差が生じている。なお、遺伝的要因の喘息リスクへの寄与率は、25~80%と推定されている。罹患率や寄与率の推定値が大きく異なるのは、喘息が環境の違いに左右されやすいことと、症状が多様であることによってである。

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今回の研究では、様々な集団を代表する14万2,000人以上のデータを解析。人種や環境要因に左右されにくい、喘息リスクに関わる18遺伝子座と、878の一塩基多型(SNP)の包括的なカタログを構築した。その結果、5遺伝子座が新たに発見された。また、花粉症との併発症で示唆されていた既知の2遺伝子座内に、新たな喘息関連SNPも発見したという。

 

これらのリストを既存のデータベースと組み合わせて調べたところ、自己免疫疾患や炎症性疾患の関連SNPと大きく重なることが判明し、免疫関係の制御を担っている可能性も示された。この研究成果は、有効な新薬の創薬につながると期待される。また、発見されたSNP群は、喘息の発症リスクを予測する疾患遺伝子マーカーとして活用されるものとみられる。