サムの備忘録

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ヴァイキングの文字体系

デンマークのリーベという町で発掘された櫛には、片面に「櫛」という単語、もう一方の面には「櫛でとかす」という単語が刻まれていた。これは、ヴァイキングの文字体系のを解明する上で重要な手がかりになるかもしれない。

natgeo.nikkeibp.co.jp8世紀末はヴァイキングにとって重大な節目であるといえる。それ以前に用いられていた言語の文字体系が、突然変化したからだ。この集団の先祖は「ルーン文字」を使用していたが、話し言葉の進化に合わせて、より現代的な文字に置き換えられた。この新たな文字体系の登場に関しては謎が多い。1人の人間または1つの機関によって作られ、広まったと考えられているが、「いつ、なぜ、誰によってなされたのか」はまだ解明されていないのである。

www.youtube.com今回発見された櫛には新しい言語で名前が書かれていた。このことの理由についてウプサラ大学のヘンリック・ウィリアムズ氏は、子供に読み書きを教えるために、日用品に言葉を書いたのかもしれないと推測している。また、ウィリアムズ氏は、新しい文字が広く採用されるまで一般的な通信手段にルーン文字が使われていた証拠が見つかっていないため、ルーン文字には特殊な目的や魔術的な意味合いがあると考えられていたのではないかと指摘する。

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リーベでは、象牙かシカの枝角で作られた皿なども発見されている。細かな断片であったため判読は不可能だが、これにはルーン文字で何か言葉が書かれてあり、発掘者らは「トビー」という人名でないかと推測している。ほかにもアイロンや、「オーディン」を呼び出す言葉が刻まれた頭蓋骨も見つかっている。

 

なお、同遺跡で発見された鋳型はヨーロッパ各地で発見されている金属細工と一致するので、リーベはヴァイキング時代の初期に中心的な役割を果たしていたのではないかと考えられている。この古都について解明するために、プロジェクトは現在も進行中であり、現地では発掘が続いている。