サムの備忘録

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熱伝導性の高いプラスチック

MITの研究チームは、通常の高分子材料と比べて熱伝導性が10倍以上高いプラスチックを開発した。PCやスマートフォンの筐体などに応用できる可能性がある。

news.mynavi.jp高分子材料は、単量体(モノマー)同士が端部でつながった長いチェーン状の構造をしており、乱雑に絡まっているため、熱のキャリアは構造中を移動することが困難である。また、結び目でトラップされやすい。そのため、高分子材料は熱を伝えにくいのである。

 

これまでにも高分子材料に熱伝導性をもたせる研究は行われており、2010年に開発された「超延伸ナノファイバー」では、通常の300倍の熱伝導性が実現されたと報告されている。ただし、超延伸ナノファイバーは、材料中の全方向に熱が拡散していくものではなかった。

 

そのため、今回の研究では、材料中の全方向に熱を伝導する高分子材料の開発が目的となっていた。開発においては、共役系高分子のポリチオフェンを用いて、シリコン/ガラス基板上に酸化CVD法で高分子チェーンの薄膜を形成した。この方法で得た薄膜の熱伝導性を、「時間ドメイン熱反射率」と呼ばれる手法を使って評価した結果、約10倍の熱伝導率(2.2W・m-1・k-1)を示したという。同試料はほぼ等方的な構造をもっていることがわかっており、試料の熱伝導率は全方向でほぼ等方的であることが示唆される。