サムの備忘録

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史上最大規模の集団生贄発見

ペルーの北部沿岸地域で、史上最大規模の子供の集団生贄が行われていた証拠が発見された。

natgeo.nikkeibp.co.jp生贄の儀式が行われたのは、ウアンチャコ地方のウアンチャキト・ラス・リャマス遺跡で、海抜約300メートルの絶壁にある。この絶壁で、140人以上の子どもと200頭以上のリャマの子を生贄として捧げる儀式が行われたようだ。なお、子供とリャマは1回の儀式で殺害されたと推測されている。儀式が行われたチムー王国は、先コロンブス期にペルーで栄えた文明だが、いまだ謎に包まれている。

 

生贄になった子供の年齢は5歳~14歳で、海のある西の方を向いて埋葬されていた。一方、リャマは生後18カ月未満で、東のアンデスの峰々の方を向いて埋葬されていた。

 

発見された骨には、胸骨の切断と肋骨の脱臼の痕跡が見られた。これは、胸部を切開して押し広げることによって、心臓を取り出しやすいようにしたためではないかと考えられている。切り口には躊躇した形跡がなかったため、執行人は行為に熟練していたと思われる。 

 

また、遺体の中には人工頭蓋変形の痕跡があるものもあり、チムー王国が支配していた遠隔地の子供も生贄として沿岸部に連れてこられたことを示している。

 

さらに、成人の遺体も近くで発見されている。この遺体の頭部には鈍器で殴られたような外傷があり、副葬品がなかったため、生贄の儀式で何らかの役割を果たした後に殺害されたと考えられる。

 

これまでにも世界各地で生贄の儀式の痕跡は見つかっているが、人間を生贄とする社会モデルのほとんどは「成人を殺害する行為」を前提としているため、ラス・リャマスのように「子供を生贄とする儀式」を説明するのは非常に困難だという。これについては、成人を生贄として捧げてもエルニーニョによる異常気象が終息しなかったため、子供を生贄にしたのではないかという仮説も提唱されている。

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