サムの備忘録

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第四の室温強磁性元素の実証

ミネソタ大学の研究チームは、ルテニウム(Ru)が室温で強磁性体になることを実験的に確認した。

news.mynavi.jpこれまでに室温強磁性元素は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)の3つしか知られていなかった。これ以外の元素では、ガドリニウム(Gd)が比較的高温で強磁性を示すと報告されているが、磁性を失う境界温度(キュリー点)が約293K(20℃)であるため、室温強磁性体と呼ぶにはやや低温だった。

 

先行研究においては、通常は強磁性体ではない元素が、結晶構造を適切に調整することによって強磁性を示す可能性があることが、理論的に予想されていた。今回、研究チームはこの理論予想を実験的に確かめた。

 

実験の結果、正方晶のルテニウム薄膜において室温(300K)での強磁性が観察されたという。ルテニウムは、酸化耐性に優れた材料であり、理論的には熱的安定性も高いと予想される。そのため、強磁性体として磁気メモリやスピントロニクスバイスといった分野での応用が期待される。