ライオンの骨の輸出枠倍増

南アフリカ共和国は、ライオンの骨の年間輸出枠を800頭から1500頭に拡大すると発表した。

natgeo.nikkeibp.co.jpライオンの骨・歯・爪などに対する需要が高まっている。このような部位は、トラの部位の代替品として伝統薬や装身具に使うために、主にベトナムやラオスで買い求められている。なお、ライオンの密猟は違法であり、身体部位の国際取引も大部分が禁止されているが、南アフリカ共和国では繁殖・飼育施設から出た骨に限り輸出は合法となっている。

今回の輸出枠拡大については、ネコ科動物の身体部位の密輸を助長するだろうと、野生動物の専門家は主張する。また、ネコ科動物の保護団体「パンセラ」の最高保護責任者であるルーク・ハンター氏は、骨格輸出に科学的な正当性はないと述べている。

一方で、南アフリカ環境省は、増え続けているライオンの骨を減らすために輸出枠拡大は必要であると述べている。さらに、飼育・繁殖施設からの供給が制限されても、在庫の違法入手や密猟などは行われる可能性があるとも主張している。ただし、南ア政府は科学的データを示していない。