サムの備忘録

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エジプト最古の防腐剤が発見

ナイル川流域で発見された先史時代のミイラには、エジプト最古のミイラ防腐処理用軟膏が使われていたことが判明した。

natgeo.nikkeibp.co.jp論文の執筆者の1人であるマッコーリー大学のエジプト学者ジャナ・ジョーンズ氏は、ミイラの布を顕微鏡で調べたときに、防腐処理用樹脂の残留物が布に含まれていることを発見した。これは、後の時代のミイラによく見られる化合物だった。

 

しかし、顕微鏡による証拠だけでは不十分だったため、ジョーンズ氏らは10年をかけて入念な化学分析を行った。2014年には、布に含まれる物質を特定したが、その結果に一部の専門家は懐疑的だったという。なぜかというと、調べた布は長くミイラから外された状態だったためだ。

 

今回調査が行われた「フレッド」は、1990年代前半からトリノのエジプト博物館に収蔵されていたミイラであり、現代の防腐剤は使用されておらず、科学者による研究もこれまで行われていなかった。

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ジョーンズ氏らは、ミイラから試料を採取し、防腐剤を構成する化学成分を正確に突き止めようとした。その結果、軟膏の基剤は複数の植物油であり、植物由来のゴム・糖分・加熱後の針葉樹の樹脂・芳香植物のエキスを混ぜていることがわかった。これらの成分は、数千年後のエジプトで使われていた軟膏と似ているものである。