抗生物質と成長
複数の研究によって、子供の出生前後は抗生物質を
投与すべきでないという可能性が示された。
「Nature Communications」に掲載された論文では、
低用量のペニシリンを出生前後のマウスに投与し、
体内に存在する微生物を排除してしまうと、
血液脳関門と脳内の化学組成に変化が生じることが
報告されている。
また、ペニシリンを投与されたマウスは、成長すると
通常の個体よりも攻撃的になり、社会行動に
支障をきたしていることもわかったとのことだ。
腸内細菌の存在によって脳に変化が生じる可能性は、
マウスのみならず人間の場合でも示されているので、
人間の子供にも出生前後は抗生物質を投与すべきでは
ないのかもしれない。
ニュージーランドの研究チームが発表した論文でも、
生後1年以内の抗生物質服用と、
7歳と11歳の時点での問題行動・抑うつ症状の間には
相関関係がみられることは報告されている。