標準治療と代替治療
イェール大学の研究によると、標準治療でなく代替治療を選んだ場合、
がん患者の5年以内の死亡率は最大で5.7倍も高くなるようである。
この研究は、2004年から2013年の間に米国で最も多かった4種類の
がん(乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん)を分析対象としている。
記録が不完全な患者や、初期診断で「転移あり」や「末期」と
診断された患者は除外されている。
全体的に見ると、代替治療を受けた患者が治療を始めてから5年以内に
死亡する可能性は、標準治療を受けた患者より2.5倍高かったが、
比較的進行が遅い前立腺がんでは統計上有意な違いは見られなかった。
一方、乳がん患者については、代替治療を受けた人々が5年以内の
死亡率は、標準治療を受けた人々と比べて5.7倍高かった。
大腸がん患者の場合は4.6倍、肺がん患者では2.2倍だ。
この研究では、当初は代替治療を選んだものの、後に標準治療に
切り替えた患者がいるかどうかは把握していない。
そのため、標準治療に移行したおかげで生存期間が延びた人もいる
可能性があり、この比較結果は実際より小さい可能性があるようだ。