サムの備忘録

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16世紀に南米を襲った疫病

16世紀にグアテマラ・メキシコ・ペルーの一部で人口の8割を死滅させた疫病「ココリツリ」の原因が、サルモネラ菌に属する病原菌「パラチフスC菌」によるものであることが明らかになった。チフスが原因である可能性は長年指摘されてきたが、今回初めて菌が特定された。

www.cnn.co.jp米大陸でサルモネラ感染症が起きたのは、欧州から征服者たちが南米へやって来た時代であるため、彼らが持ち込んだ可能性が高いという。

 

今回の研究では、メキシコ南部オアハカの墓地で採取した遺骨が用いられた。オアハカの墓地は、ココリツリとの関連が判明している唯一の墓地だ。疫病の蔓延で街全体が移転してしまったため、墓地は何世紀も手つかずで放置されてきた。また、厚い地盤に守られていたので、研究には最適の条件がそろっていた。

 

病原体の特定にはメタゲノム解析が用いられたが、この手法には、外部からのDNA流入の可能性や、未知の病原体には無意味であることなどの弱点がある。解析から浮かび上がったのはパラチフスC菌だけだが、現時点では特定できない別の病気が同時に流行していたという可能性も考えられる。