サムの備忘録

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中石器時代の杭刺し頭骨

スウェーデン南部のムータラ川近辺で、考古学者による発掘調査が実施された。その結果、中石器時代の狩猟採集民が残した遺物が見つかったが、それらには定説を覆すものも含まれていた。

natgeo.nikkeibp.co.jp調査によって、中石器時代の狩猟採集民の遺物としては初めて、杭が突き刺さった頭骨が発見された。この発見は、「中石器時代、死者の体には敬意が払われ、丁寧に扱われていた」という認識を覆すものとして注目を集めている。

 

発見された頭骨には、顎の骨がなく、下側の穴から杭が挿入されていた。また、同じ場所で女性と乳児の骨も見つかり、鈍器で殴られたような外傷の痕が認められた。なお、半分以上の頭骨に回復した傷痕があったため、頭を殴って殺されたわけではないようだ。男性と女性で傷の場所が異なることから、「性暴力や虐待、紛争、または文化的風習などによるものではないか」とも推測されている。

 

また、死んだ仲間へ敬意を払い、頭部を陳列して葬儀を行っていた可能性もある。そのほかにも、勝利の記念として首を狩られたことも考えられるが、敵の首を切るという風習が現れるのはずっと後の時代であり、可能性としてはかなり低い。今回発見された頭骨は、腐敗する途中で頭部が体から外れた可能性が高いため、首が切られたことを示す直接的な証拠にはならないとのこと。

 

今回の発見に関しては、議論すべき点が数多くあるため、今後も調査を続けていく必要がある。