サムの備忘録

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記憶の書き換え技術の実現

PTSDなどの治療を目的とした「記憶の書き換え」は、少しずつ実現に近づいている。

natgeo.nikkeibp.co.jp

特定の記憶に関係する脳組織の物理的な変化のことを「記憶痕跡」(エングラム)という。最近の研究では、この記憶痕跡は、脳のひとつの領域に孤立しているのではなく、神経組織に広く飛び散るように存在していることがわかっている。さらに、記憶が脳内をどのように移動しているかを追跡することも可能となっているという。

 

なお、2013年に米マサチューセッツ工科大学は、マウスの脳内でひとつの記憶痕跡を形成している細胞群を操作し、誤った記憶を作りだすことに成功している。マウスの脳は人間の脳ほど発達してはいないものの、人間の記憶の仕組みを理解する助けになるとのこと。

 

また、ポジティブな記憶とネガティブな記憶が別の細胞群に保管されているのかということと、ネガティブな記憶をポジティブな記憶で上書き可能であるかということについては、現在研究が行われている。実験においては、ネガティブな状態のマウスの脳を刺激し、ポジティブな記憶を活性化させると、以前ほど強く恐怖を感じなくなるということがわかっている。このことは、「記憶の再教育」によって心的外傷の除去を行える可能性を示している。