サムの備忘録

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タコへの合成麻薬の投与実験

MDMAをタコに投与する実験が行われた。

natgeo.nikkeibp.co.jp今から3年ほど前、ある研究チームがカリフォルニア・ツースポットタコ(Octopus bimaculoides)のゲノムを解読して、人間のゲノムと配列を比較したところ、ところどころ同一な領域があることが分かった。共通する部分には、社会的行動にかかわる特定の神経伝達物質の伝達に関するものが含まれていた。

 

 この類似性が行動にも現れるか調査するために、ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームはカリフォルニア・ツースポットタコ4匹にMDMAを投与した。なお、MDMAはアンフェタミン類の合成麻薬であり、俗に「エクスタシー」と呼ばれる。また、カリフォルニア・ツースポットタコは社会性が極めて低いことで知られる。

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投与の結果として、タコはリラックスしておおらかになり、投与前よりもスキンシップを示すようになったとのことである。このようなMDMAへの反応は、人間とかなり共通しており、人間とタコの脳は特定の社会的行動に関して同様の仕組みになっているという結論が導き出された。

 

今回の実験でタコと人間の共通点が示されたが、脳の構造そのものは大いにかけ離れている。たとえば、驚異的な認知能力を発揮できるにもかかわらず、タコには哺乳類のような大脳皮質がないという点が挙げられる。それ以外にも、自閉症につながる遺伝子を持っていながら、自閉症の人間ができないタスクをこなせることも大きな違いである。