サムの備忘録

趣味ネタ、時々社会的なテーマ。IT関連のテーマはもう1つのブログに投稿してます。

アイヌ遺骨がドイツから返還

日本政府と北海道アイヌ協会は、ドイツの学術団体から返還された

アイヌ民族の遺骨を、北大構内のアイヌ納骨堂に安置した。

取扱方針が決まるまでは、暫定的に北大が保管する。

www.nikkei.com

この遺骨は、1879年(明治12年)にゲオルク・シュレージンガーが

研究目的で持ち出した1人分の頭骨で、138年ぶりに返還された。

BGAEUを設立したベルリン大教授ルドルフ・ウィルヒョウが

現在まで保管していたようだ。

 

アイヌ民族の遺骨は、先住民族研究の活発化により、19世紀半ばから

戦後にかけて北海道で盗掘され、一部は海外にも持ち出されている。

 

ドイツのほかにもオーストラリアやアメリカ、イギリスなどでも

保管されていることがわかっているが、海外のアイヌ遺骨が

外交ルートで返還されたのは初めて。

 

ベルリン大教授のルドルフ・ウィルヒョウが保管していた。138年ぶりに返還された。

 

平井室長は「100年以上も遺骨が保管されていたことは遺憾だ」としたうえで、返還決定に謝意を示した。また、第1号返還について「大きな一歩であり、引き続き海外からの返還に向け努力したい」と述べた。

 

 

アイヌ民族の遺骨については、1880年発行のドイツの学術誌には、

札幌市近郊の墓から持ち出され、不当な方法で学術団体に渡った

経緯が記されている。

iPS細胞を利用した治療薬研究

京都大などのチームが、難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」を

治療する臨床試験を近く始めるようだ。iPS細胞技術を利用して

治療薬候補として導出された薬の治験は世界初。

yomidr.yomiuri.co.jp

研究チームは、FOPの患者から提供を受けた細胞から、iPS細胞を作製。

骨の形成にかかわる細胞に変化させた後、約7000種類に及ぶ薬などを

投与して効果を調べた。

 

その結果、臓器移植の拒絶反応を防ぐ薬として使われる「ラパマイシン」

という物質に、骨の形成を抑える効果があることを確認した。

治験では、実際に患者にラパマイシンを投与して効果や安全性を確かめる。

現在FOPに治療薬はないため、治療法の確立につながることを期待したい。

STOを用いた人工ニューロン

 産業技術総合研究所は、スピントルク発振素子(STO)を用いた

人工ニューロンを考案し、その原理を実証したと発表した。

news.mynavi.jp

ヒトの脳では、ニューロンシナプスによって情報処理が行われている。

これを模倣したのが、ニューロモロフィック・コンピューティングだ。

この技術を用いることで、膨大で曖昧・不完全な情報の処理が、

低い消費電力で高速に実行できると期待されている。

 

だが、ニューロモロフィックシステムの高度化には、高効率で超小型の

人工ニューロンや人工シナプスが不可欠である。そのため、産総研

低消費電力・高効率な発振素子となりうるスピントルク発振素子の

実用化研究に取り組んできた。

 

同研究では、ナノメートルサイズのSTOを人工ニューロンとして用いて、

ニューロモロフィック回路音声認識システムを開発した。

ちなみに、ナノメートルサイズの人工ニューロンを用いた音声認識は、

世界初であるようだ。

 

このシステムは"0"~"9"の言葉を、99.6 %の正答率で認識可能だ。

これは光学系リザーバーコンピューターと同等の正答率。

 

 

STOとは、直流電流を流すとスピンの共鳴歳差運動が励起され(強磁性共鳴)、

交流電圧が発生する自励発振素子だ。この発振素子の出力電圧は、

直流電流の大きさに依存するため、直流電流値を変化させることで、

出力の交流電圧値を変化させることが可能。このとき、交流電圧の振幅は

入力の変化に瞬間的に追従するのではなく、緩和時間と呼ばれる時間遅れを

伴って徐々に変化する。

 

また、交流電圧の振幅は、電流値に比例せず、非線形な振る舞いをする。

この緩和時間と非線形性という特徴を、ニューロモロフィックシステムで

必要とされるshort term memory (短時間記憶)や信号の非線形性として

活用できると考え、スピントルク発振素子を用いた高効率・超小型の

人工ニューロンを考案したのである。

メガマウスの貴重な姿

メガマウスメガマウスザメ)が泳ぐ姿をとらえた貴重な動画が、

コモド島北部のギリ・ラワ・ラウトと呼ばれる島の付近で撮影された。

natgeo.nikkeibp.co.jp

撮影された動画には、ゆっくりと水中を泳ぐメガマウスの姿が

はっきりと映っている。

 

メガマウスの生態は謎に包まれているが、濾過摂食動物であるので、

人に危害を加えることはほとんどないとされている。メガマウスの多くは

日本や台湾の近海で目撃されているが、大西洋、太平洋、インド洋でも

見つかることがある。広く分布していることから、IUCNはメガマウス

「低危険種(least concern)」に分類している。

ポルトゥス・コサヌスの岸壁

現在のコンクリートの寿命は50~100年程度とされるが、

古代ローマ時代のコンクリートは現在でも十分に強度を保っている。

 

その強度の秘密を解明するため、ローレンス・バークレー国立研究所の

研究チームは、古代ローマ時代の岸壁や防波堤のコンクリートを採取し、

X線マイクロ解析を行った。

wired.jp

解析により、コンクリートの中にアルミナ質のトバモライト結晶が

含まれていることがわかったが、この鉱物がコンクリートの強度を

高めるのに重要な役割を果たしているという。

 

ちなみに、コンクリートの材料である火山灰・石灰・火山岩と海水は

混ざり合うと熱を発生するが、このときにトバモライト結晶が生成される。

 

この性質を利用して、海水と化学反応を起こして強度を増すという特徴を

もつコンクリートを、ローマ人は作り出したのだ。

 

ローマ時代のコンクリートを参考に、結晶に「螺旋転位」と呼ばれる

欠陥を意図的に作り出し、強度を2倍に高める研究も行われているようだ。

地方PR動画発の遊園地

大分県別府市で、温泉と遊園地が融合した「湯~園地」が、

地元の老舗遊園地「別府ラクテンチ」の敷地内に開園した。

3日間の期間限定の開園で、1万2000人の来場者を想定している。

www.jiji.com

昨年11月に、「100万回再生されれば計画を実行する」という

長野恭紘市長の公約付きで、下記のPR動画がインターネット上で

公開されたが、それが実現したのである。約8200万円の開園資金は、

クラウドファンディングふるさと納税・寄付金によって、

集められた。入場できるのは8000円以上の支援金を出した人たちで、

当日券は売られていない。

www.youtube.com

動画上での「温泉バブルジェットコースター」には座席に

乳白色の湯が張られていたが、安全に運転できる重量を超えるため、

下記の写真のように温泉成分を含む泡を使用したようだ。

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このジェットコースターのほかには、馬車部分が浴槽になった

メリーゴーラウンドなど、全12種のアトラクションを用意。

コウモリの結合双生児

結合双生児のコウモリが、ブラジル南東部のマンゴーの木の下で

発見された。コウモリの結合双生児が見つかるのはこの標本で3例目。

発見時には既に死んだ状態であったとのこと。

natgeo.nikkeibp.co.jp

生き残れる個体がほとんどいないためか、人間以外の動物で結合双生児が

見つかることは非常に珍しい。人間の場合でも、80%超という高い割合で

結合双生児は致死的状態にあるといわれている。

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今回発見された標本について、アルビテウス(Artibeus)属の赤ちゃんだと

研究者たちは考えている。また、胎盤が付いたままの状態であったため、

出産の際に死んだか、死産だったようだと推測している。X線写真からは、

2匹のオスの頭と首は別々だが、背骨が下の方で1つになっているのがわかる。

心臓も別個に持っていて、大きさはほぼ同じだ。

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