無痛分娩の6割が診療所
2016年度に行われた無痛分娩は約21,000件だが、その6割近くが
診療所での出産であると、日本産婦人科医会による調査でわかった。
無痛分娩が普及する欧米では、産科医・麻酔科医・新生児科医が
そろった大病院で行うのが主流だが、日本国内の場合、
小規模な医療機関ほどより多く実施されているのが実態だ。
無痛分娩は、局所麻酔薬で下半身の痛みを和らげ、出産時の疲労や
ストレスを軽減する方法で、高齢妊婦の多い都市部を中心に近年
人気が高まっている。無痛分娩を行う際は、背中から麻酔薬を注入する
硬膜外麻酔という手法が選択される場合が多い。
最近、大阪・兵庫・京都の4医療機関で計6件の事故が相次ぎ発覚しており、
この6件のうち5件が診療所での事例だった。
無痛分娩の割合は年々増加しており、16年度は約40万6000件の
出産のうち無痛分娩は5.2%で、08年の推計値に比べ倍増している。
また、診療所での出産数の5.6%、病院での出産数の4.7%と、
病院よりも診療所の方が無痛分娩の割合が高い。
今回の調査結果は、近く発足する厚生労働省研究班で分析し、
安全対策に活かされるとのことだ。