73種の放射性同位元素が発見
理研は、重イオン加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)」を用いて、
マンガンからエルビウム(原子番号25〜68)までにおいて、73種の新しい
放射性同位元素(RI)を発見したと発表。
news.mynavi.jp重元素は、中性子星合体のような高温高密度の環境下で、原子核に吸収
された中性子が「β崩壊」という現象を起こしたあと、不安定な放射性
同位元素(RI)を経由して合成されたと、現在考えられている。
この重元素合成の謎を解明するには、RIのさまざまな性質を調べることが
必要である。これまで、理研のRIビームファクトリー(RIBF)に設置された、
超伝導RIビーム分離生成装置(BigRIPS)を用いた研究では、59種の新RIの
発見が論文発表されている。
今回行われた実験では、ウラン-238およびキセノン-124ビームを、超伝導
リングサイクロトロンで光速の70%まで加速後、ベリリウムとの衝突時に
引き起こされる反応によってRIを生成し、BigRIPSで収集・分析し、同定
した。その結果、原子番号25のマンガンから68のエルビウムまでの、73種
の新RIを発見することに成功した。
さらに、約62種の新RI候補の生成も確認された。それの解析が終了すると、
総計約194種類の新RIの発見が論文発表される見込みだ。これを含めると、
日本におけるRIBFでの2010年以降の発見数は、米国・英国・ロシア・ドイツ
を抑え、大きく加速することになる。