サムの備忘録

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温暖化の風力発電への影響

北極と赤道の温度差の縮小により北半球の風力が弱まってしまう可能性が、最新の研究で示された。このことは、風力発電の存在意義が薄れてしまうことを示唆している。

wired.jp北極と赤道の温度差は本来、大気のエネルギーを風や嵐などへと変える原動力となっている。北極圏で温暖化が進行すれば、北極と赤道の温度差が縮小し、北半球のあちこちで風力が弱まる。そのため、発電できるエネルギーが大幅に減少する可能性がある。試算では、広範にわたる地域で風力が10パーセント減少し、風から得られる電力は30パーセント近く減少するという。また、空気中の二酸化炭素濃度が上昇し続けると、ハリケーンの勢力が強くなったり、極渦が弱まり、大寒波が発生する危険性も存在する。

 

一方、南半球では状況が異なる。いくつかの気候変動予測モデルによると、南方の陸地と海の温度差が拡大するため、南半球では風力が強くなるのである。南半球で風のパターンが変化すると、南極大陸の海岸線から暖かい水が大量に押し出され、地下の氷河が溶けるスピードが速くなるなどの影響を及ぼすとのこと。

 

現在、風力発電施設のほとんどは北半球に集中しているが、南半球へと風力発電施設の主戦場が将来的に移行することも考えられる。また、地上から離れるほど風速が速くなることを利用して、より高い位置で稼働する次世代型タービンの開発も進んでいる。