人間になつく動物の遺伝子
人になつく動物の行動に関わる遺伝子領域を解明したと、
研究グループが発表した。
scienceportal.jst.go.jp研究グループは、日本・カナダ・フランスなど世界8カ国から
遺伝的多様性を持つ野生マウスを集め、
人間に対して「能動的従順性」をある程度示すマウスを選んで
選択交配を何度も繰り返すことにより、
高い能動的従順性を示すマウス集団を作り出した。
この選択交配を行った集団と無作為に交配させた集団の遺伝子配列を
比較した結果、11番染色体上にある「ATR1」と「ATR2」という
2つの遺伝子領域が能動的従順性に関連していると判明したようだ。
また、イヌの遺伝子も解析したところ、イヌの9番染色体上にも
この遺伝子領域があり、高い能動的従順性に関わっていることが
分かったという。この遺伝子領域にはセロトニンの量を調節する
遺伝子が含まれており、人になつきやすい性質に関与している
可能性があると、研究グループはみている。
今回の研究成果は、これまで家畜化が難しかった動物の家畜化も
可能とするかもしれない。
家畜動物はなぜ人になつくのか~人に近づくマウスをつくり遺伝のしくみを解明~::National Institute of Genetics