クモ狩りに特化した暗殺グモ
マダガスカルで新種のクモ18種が発見された。今回発見されたのはアゴダチグモ科というグループのクモで、クモ殺しに特化していることが特徴である。英語では「暗殺グモ」や「ペリカングモ」とも呼ばれる。
natgeo.nikkeibp.co.jpアゴダチグモ科は、マダガスカル・オーストラリア・南アフリカが原産だ。アゴダチグモの外見は、1億6500万年前の化石種と驚くほど似ており、「生きた化石」であるとも言われる。
彼らが捕食を行う際には、まず巨大なあごで獲物を突き刺し、あごの先端から毒を出す。その後、獲物に毒が回るまで空中につるすのだが、その様子はフックにぶら下がった食肉のようだ。なお、相手から反撃を受けないように、アゴダチグモは獲物をあごの長さ以上に近づけないと推測されている。また、クモが歩くときに出す「しおり糸」を、アゴダチグモは辿れるのではないかと考えられている。
アゴダチグモが同種と標的とをどのように区別しているのかは、まだ分かっていない。アゴダチグモが同種のクモを食べる様子は、研究者たちも見たことがないとのことで、ペトリ皿に複数のアゴダチグモを入れてみても、互いに距離を取る以外の行動は見られないという。