古代エジプトの共同墓地
エジプト考古省は、2000年以上前に岩を掘って造られた、
3つの墓を発見したと発表した。プトレマイオス朝の時代から
500年以上にわたって使われた、共同墓地の可能性がある。
カイロから200キロほど南の位置にある、エル=カミン・エル=サフラウィ
という場所に3つの墓は発見された。墓からは、大きさの違う複数の
石棺(サルコファガス)や、土器の破片などが見つかっているという。
ちなみに、石棺を意味する「サルコファガス」(sarcophagus)という
言葉は、「sarx」(肉体)+ 「phagein」(食べる)というギリシャ語に
由来し、「肉体を食らうもの」という意味である。
以前の発掘でも、第27王朝の時代の墓が20ほど見つかっているが、
今回発見された3つの墓の構造はそれらとは異なるようだ。
3つの墓のうち2つは、垂直な竪穴のある埋葬室だった。さらに、
2つの墓の内外には単純な埋葬用の穴も計15個見つかっており、
それらの中には子ども用の小さな穴もあった。発掘責任者の
アリ・エル=バクリー氏によると、子どもが埋葬されていた証拠が
エル=カミン・エル=サフラウィから見つかるのは初めてのことだ。