サムの備忘録

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始祖鳥は飛行可能だったのか

「最古の鳥」とも呼ばれる始祖鳥の化石が発見されたのは1860年で、ダーウィンが「種の起源」を発表した1年後のことである。発見以来、飛行能力に関する議論は一進一退してきた。

natgeo.nikkeibp.co.jp今回の研究では、欧州シンクロトロン放射光研究所のX線スキャナーを用いて、始祖鳥の化石3体に強力なX線を照射している。この方法は、化石を傷つけずに調べられる点がメリットだ。X線照射によって得られた断面図を基に、中空になった骨の厚さを測定し、ねじれ抵抗の大きさを計算した結果、始祖鳥の測定値はウズラやキジなどに非常に近いことが明らかとなった。これは、始祖鳥が空を実際に飛べた可能性について示している。

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また、現生の鳥類と同様、始祖鳥の骨格には血管が豊富にあることも発見されている。これは、始祖鳥の成長傾向と代謝が現生鳥類と似ていたことを意味している。 

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なお、現生の鳥類で飛行できる種は胸骨に竜骨突起をもっているが、始祖鳥の化石では竜骨突起のある胸骨は見つかっていない。この点に関しては、軟骨でできていたために化石として残りにくかった可能性を指摘する研究者もいる。