世界の都市総合ランキング
2017年版「世界の都市総合ランキング」が公開された。東京は、
昨年初めて3位に浮上し、「交通・アクセス」や「文化・交流」の
分野で今年もスコアを伸ばし、2位のニューヨークとの差を縮めた。
ランキングは経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、
交通・アクセスの6分野から都市の総合力を評価。国内総生産や
研究者数、国際コンベンション開催件数など合計70指標を使って
算出する。
東京の総合スコアは1354.7で、ニューヨークとの差は46ポイントから
31ポイントまで縮めた。今回の結果には、東京オリンピック開催を控え、
インバウンドの受け入れ体制を整えていることなどが寄与している。
一方で、東京が強かった「経済」分野は、為替の円安、GDP成長率や
経済自由度の低さ、法人税率の高さなどが響いて、前年の1位から4位に
転落した。「居住」分野についても「社会の自由度・公平さ・平等さ」
の低さが響いて前年の6位から今年は14位に落とした。
スコアを伸ばした「文化・交流」の分野でも、ロンドンやアジアの
他の主要都市に比べて、五つ星ホテルなどのハイクラスホテルが
少ないことも今後の課題となっている。
ネアンデルタール人の健康
5万2000年前のネアンデルタール人女性について、全ゲノムの
塩基配列を決定したことを、マックス・プランク進化人類学研究所が
発表した。全ゲノムの配列決定はネアンデルタール人では2例目。
今回の論文によると、ユーラシア系の祖先を持つ人々の全遺伝子の
1.8~2.6%がネアンデルタール人の遺伝子に由来しているという。
さらに、ネアンデルタール人ゲノムのいくつかの領域は、現代人の
ゲノム中にある、血中コレステロール濃度・統合失調症・摂食障害
・関節リウマチなどの健康問題と密接に関連している部分に
一致していることも明らかになった。
一般に、ネアンデルタール人から受け継いだものは好ましくないと
されているが、実際はそうとは限らず、ネアンデルタール人のもつ
遺伝子バリアントには、LDLコレステロールによる動脈硬化の防止に
役立つ可能性があるというものもある。
商用利用可能な明朝体
エピジェネティクスの解明
遺伝子は環境や生活習慣によって変化することが近年の研究で
わかっており、「エピジェネティクス」として知られている。
そのメカニズムを、ドイツのマックスプランク免疫生物学
エピジェネティクス研究所の研究グループが解明した。
生物学においては、遺伝子は生涯を通じて変わることがないものと、
長らく考えられていた。しかし、近年の研究では、環境的な変化が
特定遺伝子の発現に影響を与えている事実が明らかになっており、
環境によって後天的に発現した遺伝子が次世代へと遺伝する可能性も
示唆されている。
今回、研究グループは、ショウジョウバエにおけるエピジェネティックな
変化が、母親から胚に伝達されることに着目し、H3K27me3に焦点を当てた。
H3K27me3は、クロマチン構造の変化と遺伝子発現の抑制に関連している。
まず、生殖細胞がつくられる過程で、H3K27me3の分布を調べてみた。
すると、精子形成の過程では激減していたH3K27me3が、卵母細胞には
豊富に残されており、受精後も母方のH3K27me3だけは存在している
ということがわかった。これは、母親が後天的に獲得した形質が子孫に
継承されていることを示している。なお、わずかながら成熟精子にも
H3K27me3は保持されているため、父方のエピジェネティックな情報が
受精卵に継承される可能性も考えられる。
また、ショウジョウバエのH3K27me3を消去したところ、初期発達中に
H3K27me3が欠けた胚は、胚発生の終わりまで成長することができなかった。
これは、生殖においてH3K27me3がエピジェネティックな情報を次世代に
継承させるだけでなく、胚の発達にとっても重要な役割を担っていることを
示唆している。
さらに、通常は胚発生初期にはオフになっているはずの発達遺伝子が、
H3K27me3が欠けた胚ではオンになっていたことも発見。
今回の研究はショウジョウバエを使ったものだが、H3K27me3は
マウスの初期胚におけるクロマチン構造でも検出されており、
ほかの哺乳類においても同様のプロセスを経るものと推測される。
2017年のノーベル経済学賞
2017年のノーベル経済学賞は、リチャード・セイラー氏に
決まった。授賞理由は行動経済学への貢献のためである。
従来の経済学では、経済主体である個人は常に合理的な選択を
するということを前提条件としていた。しかし、行動経済学的な
アプローチにおいては、人間は非合理的な選択をする場合も
多々あるという点を考慮して心理的要因の反映を試みている。
行動経済学的な考え方の例としては、金銭を用途ごとに
色分けして管理するという「メンタルアカウンティング」や、
契約内容などの大幅な変更に対して不安を感じるという
「現状維持バイアス」の影響、デフォルトのプランを
選択しがちであることを利用した「オプトアウト」の
概念などが挙げられる。
フライト中の適切な水分補給
Los Angeles Timesによると、フライト中の機内はサハラ砂漠よりも
乾燥しており、酸素不足という条件が組み合わさることで、搭乗者に
脱水症状を引き起こさせているようだ。
10時間のフライトで、男性は約2l、女性は約1.6lの水を失う。
この点をふまえると、飲むべき水の量はフライト時間で変わってくる。
米国航空宇宙医学会によると、1時間につき約240mlの水を飲むべき
ということだ。3〜4時間を超えるフライトの場合は特にこれが
当てはまると、Peter Hackett医学博士は答えている。
ただし、1度に約240mlの水を飲んではいけないようである。
Leonard Smith医師は、ボトル1本の水を一気飲みしても
あまり水分補給にはならないと述べている。一気に大量の
水を飲むと血液が薄くなり、腎臓が水分を排泄しようとするため、
身体を潤す前に水分が捨てられてしまうのだ。
また、果物・野菜・ヨーグルトなどの、水分補給用のスナックを
持ち込むのも手である。鼻スプレーも、鼻の乾燥を防止し、
頭痛に効果を発揮する。