ヴァイキングの女戦士
10世紀初めの文献によれば、インゲン・ルーア(赤い娘)という
女性戦士が、ヴァイキングをアイルランドへと導いたとされている。
また、ヴァイキングの物語の多くには「盾を持った乙女」が登場する。
上記のことは、戦士が男性だけではなかった可能性を示しているが、
単なる神話的脚色に過ぎないと考える考古学者も多かった。
スウェーデン南東部にあたるビルカに葬られた戦士は、これまで男性
であると考えられ、ビルカにある墓に埋葬されているのは男性であると、
教科書にも記されていた。しかし、研究者が遺骨のDNAを解析したところ、
この戦士は女性だったことが判明した。
以前、ストックホルム大学のアンナ・シェルシュトレーム氏が、
遺骨の骨盤と下顎の寸法を根拠に女性説を発表した際には、
別人の骨が混ざっている可能性がほかの考古学者から指摘されていた 。
今回は、それをふまえてのDNA解析であり、被葬者のミトコンドリアDNAを
解析することによって、反論を試みたとのことだ。解析の結果、遺骨から